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【解決事例】調停において遺産分割が成立した事例

  • カテゴリー:相続・遺言
  • 2024.10.22

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ご依頼主 :50代 女性

依頼内容:遺産分割事件(協議、調停)

ご相談内容

Aさんのお父様の死後、相続人である兄弟姉妹で遺産分割協議を始めました。

ところが、相手方であるBさんは、多額の生前贈与があるはずだ、という主張を始め、自分に都合のよい分割案を提示してきました。

Aさんはこれに難色を示しましたが、相手方はさらに強硬的になり、一方的な主張が重ねられる事態となり、遺産分割が進まなくなりました。

そこで、Aさんは遺産分割の進め方についてご相談にいらっしゃいました。

弁護士の対応とその結果

Aさんに事実確認をしたところ、相手方の主張は事実と異なっていることがわかりました。

また、理屈上も特別受益や寄与分に該当せず、遺産分割の結論に影響しないものが多数含まれていました。

そのほかにも、独自の見解や感情に基づいて不公平感を訴え、被相続人の遺思をかたり、Aさんを中傷するような主張が含まれていました。

Aさんにとって、このような提案は到底納得しがたいものであり、内容を問題視していました。

本人同士が決めたルールに沿った主張であればそれで構いませんが、ルールについて了承はなく、一方的な意見を押し付けるのでは合意に至ることは困難です。

また、中傷するような主張をしたところで、説得につながることはまずありません。

このような相手方の主張に対しては、裁判を想定し法的観点から、当方の意見を伝えました。

しばらく裁判外で協議を行いましたが、合意に至ることが困難と判断されたことから、家庭裁判所の調停手続に進むことになりました。

調停においては、それまでと一転して法律上のルールに則って噛み合った協議が進み、遺産分割に付随する事項を含めて調整を行い、最終的に遺産分割調停は成立に至りました。

最終的には1000万円以上の財産を手元に残す形で解決となりました。

弁護士からのコメント

共通のルールによる噛み合った協議を

協議を進めるためには、共通のルール、協議の枠組みを設定することが大切となります。

遺産分割において、相続人間で独自のルールが明確に定められることはほとんどありません。

しかし、金銭で換算できないことを言わない、あまりに過去のことを持ち出さない、生活費等の細かな負担差は追及しない、といったことは、暗黙の了解として協議をしているように思われます。

多くの相続では、このように円満に協議され、遺産分割は紛争となることなく解決しています。

しかし、感情的になり、金銭に換算できない事柄にこだわるようになれば、もはや遺産分割協議はまとまりません。

本件では、裁判外での協議を断念し、遺産分割調停に進んだため、法律のルールに従って協議することになりました。

これにより、双方の主張がかみ合い、膠着していた遺産分割が進展し、最終的に合意に至りました。

法律という明確かつ体系的なルールに則って進められることは遺産分割調停の意義の一つです。

こうした裁判手続を活用することが、解決を目指していくうえで有益です。

相続した不動産の売却にあたって

遺産のなかに不動産がある場合、相続人の意向で売却することがあります。

売却する場合、売買代金に譲渡所得税が課税され、数百万円に上ることも珍しくありません。すると、実際に相続人の手元に残る現金は売却価格よりもかなり少なくなってしまいます。

しかし、もし、売却したい土地の上に古い家が建っている場合、いわゆる空き家特例を利用することができる場合があります。

要件に該当する場合、一定期間内に売却することができれば、譲渡所得の大部分が非課税となります。

本件では、この特例の適用要件を満たしており、幸いにもスムーズに売却することができたため、大幅な節税効果が実現しました。

このように、不動産の処分の方法について、それぞれが協調することができれば、全相続人にとって有利な遺産分割が実現することもあります。

遺産分割が進まない場合は弁護士に相談を

本件のように、協議が膠着状態に陥った場合、そのまま協議を継続しても埒が明かないことが多いと言わざるを得ません。

このような場合であっても、裁判を見据え、法的な観点から結論を導く努力をすることで、状況を打開することができることが多いと言えます。

このように、弁護士に依頼し、法的手続に進めることは、無用な争いを排除し、かえって協調を促し、早期に遺産分割を成立させる結果につながることもあります。

スムーズに遺産分割協議が進まない場合は、いちど弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(弁護士:小原 将裕)

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