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【解決事例】音信不通となった相続人と遺産分割を成立させた事例

  • カテゴリー:相続・遺言
  • 2023.03.01

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ご依頼主 :80代 女性

依頼内容:遺産分割事件(調停)

ご相談内容

Aさんの配偶者であるBさんの死後、Aさんは金融機関で相続手続をする必要がありました。

そこで、Aさんは、共同相続人であるBさんの兄弟姉妹との間で遺産分割協議を始めました。

Aさんは高齢であったため、その娘さんが協議の窓口となっていました。

ところが、相手方の一人であるCさんは、突然音信不通となってしまいました。

そこで、相続手続が進まず困ってしまい、ご相談にいらっしゃいました。

弁護士の対応とその結果

弁護士は、被相続人Bさんの最終住所地近くの金融機関を中心に遺産調査を行いました。

また、Cさんに対して連絡を試みました。

しかし、Cさんは弁護士からの文書をわざわざ受取り拒否したため、協議のしようがありませんでした。

裁判外で遺産分割の成立に至ることが困難と判断し、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。

なお、本件では管轄が西日本または関東の裁判所となってしまい、出廷の負担が大きいため、電話による調停を行いました。

兄弟からの相続ということもあり、Cさん以外の相続人は事前に相続分の譲渡に応じてくれたため、最終的にはAさんとCさんのみが当事者として残り、調停に臨みました。

調停期日では、裁判手続となったためか、これまで無視を決め込んでいたCさんが出廷しました。

ところが、自分は生活保護を受給しており、遺産分割をすることによって打ち切られたくないから、遺産分割には応じられないなどと主張し始めました。

裁判所および当方は、制度上は打ち切りの心配はないと説得しましたが、Cさんは納得しません。

そこで、最終的に自治体に照会し、担当者と話をさせてもらうことができました。

これにより、遺産分割による取得分は調整するが、それ以降の生活保護は打ち切りの心配はない、ということを納得してもらいました。

最終的に、相手方の相続分に相当する代償金を支払う内容で遺産分割調停が成立しました。

結果的に、Aさんは1200万円以上の財産を手元に残す形で解決となりました。

弁護士からのコメント

音信不通の相続人がいる場合・連絡を無視する相続人がいる場合

まったく音信不通の相続人がいるケースでは、不在者財産管理人を選任してもらい、不在者財産管理人を相手に遺産分割を行うことになります。

この場合、いったん全ての相続財産を取得し、不在者財産管理人に代償金を支払う形で遺産分割調停をまとめ、金融機関で相続手続を進めることが考えられます。

ところが、本件のように、相続人の居場所は分かるが連絡を拒絶しているケースでは、不在者財産管理人を相手に遺産分割をする方法は使えません。

そこで、遺産分割調停もしくは遺産分割審判を申し立て、附郵便送達等の方法で送達を行い、粛々と法律に則って遺産分割をする方法を検討することになります。

このような、当事者と連絡を取ることができない場合の手続に備えることができないと、裁判手続を進めることができませんから、ご本人での手続は難易度が高くなります。

そのため、お困りの際は弁護士に依頼することが賢明といえます。

遺産分割の方法について

遺産分割を行うにあたっては、最終的な払戻手続を視野に入れる必要があります。

そのためには、いったん預金を全て取得し代償金を支払う方式をとったり、調停条項を工夫するなどして、払戻手続を確実に終えられるようにすべきです。

本件では、相手方の協力が期待できないのに、金融機関から相手方の協力を要求されれば、結局払戻ができず、裁判が無意味になってしまいます。

そのため、当方が単独で払い戻しをすることができるような条項をいくつか設けることによって、最終的な払戻までスムーズに行うことができました。

音信不通、連絡を拒否されて遺産分割協議が進まない場合は、いちど弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(弁護士:小原 将裕)

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