【解決事例】浪費による債務を個人再生により減額した事例
- カテゴリー:債務整理(個人) 解決事案
- 2022.02.21
ご依頼主: 50代 男性
依頼内容:小規模個人再生
ご相談内容
ご依頼者は、かつての職場環境が悪く、過重労働により精神的に負荷がかかってしまい、疲弊していました。
そこで、気を紛らわすために衣類や雑貨を購入していくうちに、浪費を重ねてしまいました。
しかし、手元の現金では支払いを賄うことができなくなり、借入れを繰り返すうちに、短期間のうちに負債を膨らませてしまいました。
その後、転職して環境を変え、通院を続けたことで精神的に落ち着きを取り戻したことから、負債を何とかしないといけないと思い、債務整理を検討することにしました。
当初は東京の弁護士に相談していましたが、費用負担が大きいことや対面で話ができない不安から、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応とその結果
弁護士は、継続的に債務の支払いが不可能であること、浪費と認定され免責不許可事由があるといえる一方、裁量免責の可能性もあることから、方針についてはご依頼者とよく相談しました。
最終的に、一部ではあるが返済を行っていきたいというご依頼者の気持ちを尊重し、個人再生の手続を進めることにしました。
自動車ローンが残っていたり、携帯電話の本体代金債務が残っていたりと、問題となりうる点がありましたので、法律に則って適切に処理し、裁判所に説明することで問題なく承認してもらうことができました。
また、長期間クレジットカードやカードローンに頼っていたこともあり、給与の範囲で家計をやりくりする実感を取り戻すため「リハビリ」的に家計状況も毎月の打合せにて一緒に見直していきました。
最終的には、ご依頼者の支払能力に合わせ、4年間の再生計画にて弁済を行う内容で再生計画認可決定が出ました。
★本件の債務減額 約830万円→約165万円
担当弁護士からのコメント
本件では、精神的に不安定な時期に始めたショッピングや借入れを原因としていましたので、裁量免責の可能性もあり得ました。
もっとも、支払える範囲で返済を続けていきたいというご依頼者の希望を尊重して、個人再生の手続を進めることになりました。
このような意向を持つ方は過去にも一定程度いらっしゃいましたので、担当弁護士は決しておかしいと考えず、全力で支持することにしました。
ただ、支払える範囲で返済を続けるというのは、簡単ではありません。
また、再生計画の履行可能性を客観的に示して、裁判所を説得しなければなりません。
本件では、毎月の収支に余裕があったわけではなく、コロナ禍のために賞与が減ってしまう可能性があったこともあり、再生計画が認めてもらえるか、不安がありました。
ご依頼者の努力の甲斐あって、履行可能性を示し、再生計画を認めてもらうことはできました。
また、弁済期間を4年間に延長してもらったことで、再生計画は無理なく弁済をすることができる内容となりました。
家計のコントロールが長期間続くことになるため、今後も努力を続けていただく必要があります。
やむを得ない事由によって借金に振り回されてしまっている方は、債務整理によって生活を立て直すことができます。
過去の失敗を反省し、真摯にやり直しを目指す人に対して、法律はチャンスを与えてくれます。
生活再建を目指して努力する気持ちを持った方は、弁護士にご相談いただければお手伝いをすることができる可能性がありますから、ぜひご連絡ください。
(弁護士 小原 将裕)